9月24日(水)完成披露試写会に豪華キャスト&監督が集結! | NEWS | 映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』
主演:吉永小百合、監督:阪本順治、脚本:坂口理子、音楽:安川午朗、原案:田部井淳子「人生、山あり“時々”谷あり」(潮出出版)、製作総指揮:木下直哉 10月31日(金)全国公開
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2025.09.25
9月24日(水)完成披露試写会に豪華キャスト&監督が集結!
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主演の吉永小百合さんをはじめ、佐藤浩市さん、天海祐希さん、のんさん、木村文乃さん、若葉竜也さん、工藤阿須加さん、茅島みずきさん、阪本順治監督の総勢9名が勢揃いし、一斉に登壇するや場内は拍手喝采!この日は、世界最高峰8849mにちなんだ8.849m×15mの“エベレスト”バナーに向かい、全員で揃って、吉永小百合さんの124本目を記念した12.4mの白銀ランウェイを彩り、舞台挨拶がスタート。映画の完成を心待ちにしていた2,000名の観客を前に、本作にかける思いをそれぞれ語りました。
『てっぺんの向こうにあなたがいる』 完成披露試写会
【日時】9月24日(水) 18:30開演
【会場】東京国際フォーラム ホールA
【登壇】吉永小百合さん、佐藤浩市さん、天海祐希さん、のんさん
木村文乃さん、若葉竜也さん、工藤阿須加さん、茅島みずきさん、阪本順治監督はじめに、観客やモデルとなった田部井家への感謝を述べた吉永小百合さんは、今日という日を迎えられたことを「本当に嬉しい」とストレートに表現し、完成の喜びを語りました。
続いて、天海祐希さんも「(演じた役が)小百合さんを思う気持ちと一緒なので私としても感情移入して演じることができたし、映画が完成してとても幸せです」と映画が完成した喜びを語ったほか、佐藤浩市さんも「優しさを感じ取っていただける映画なので、気持ちを豊かにして帰ってほしい」と挨拶をしました。
そして、のんさん「私も勇気をもらえた作品なのでみなさんに届いたらいいなと思う」、工藤工藤阿須加さん「素敵な気持ちで帰っていただける映画なので楽しみにしていてください」、木村文乃さん「今後愛されていくであろう作品に参加できて、とても幸せです」、若葉竜也さん「過酷な撮影だったが怪我なくこの日を迎えられて安心している」、茅島みずきさん「心が温かくなる素敵な映画だと思うので同じ気持ちで帰っていただけたら嬉しいです」とそれぞれ本作に対する自信のほどを伺わせるコメントを寄せ、阪本順治監督は「木下グループが初めてつくる吉永小百合さんの映画ということで私なりに力をこめて作りました」と語りました。
主人公で、女性として初の世界最高峰エベレスト登頂制覇を果たした多部純子(たべ・じゅんこ)役の吉永さんは、モデルとなった田部井淳子さんに対して、「その前向きな生き方に憧れたし、世界中の全ての山に登頂できる、素晴らしい決断力をお持ちの方。私も淳子さんの一歩一歩前にという言葉を忘れずに、前に歩いていけたらと思っている」と改めて自身が演じた田部井淳子という人物に敬意を表しました。
佐藤さんは、「僭越ながら劇中のように、撮影期間中は吉永さんと「お母さん」「お父さん」と呼び合うことができて、安心して撮影をすることができた」と撮影の思い出を語りました。
純子のよき理解者として、いつどんなときでも支えとなった悦子を演じた天海さんは、“誰かの支えになる”という生き方について、「自分がしっかりしていないと人の支えにはなれない。小百合さん演じる純子さんは、ひたむきに自分の人生を歩んでいて、この人のために役に立ちたい、何かをしてあげたいと思われるような方だったし、そう思える悦子さんも素敵な方だと思う」と語り、続けて「私も誰かの支えになれている人生だと良いんですけど」と述べると会場からは大きな拍手が沸き起こりました。
さらに吉永さんと天海さんの3度目の共演について、互いに「今回も天海祐希さんに出演していただいて感謝している。私にとっては親友以上、素晴らしい力強い存在で、いつも頼っているし、これからもチャンスがあったらまたご一緒させて欲しい」と吉永さんが語ると、天海さんが「泣いちゃう。吉永さんと共演したい方は沢山いるのに3回もご一緒できてこんなに有り難いことはないし、小百合さんの役を見つめ続ける役だったので、大事に1シーンずつ演じた。その思いが観てくれる人に伝わると良いなと思っている」と語り、より一層大きな拍手が沸き起こった。
続いて青年期を演じたキャスト陣のトークでは、のんさんが「田部井淳子さんにも、吉永さんにも見えないといけない役だったので、どうにか表現できたらと思っていて、吉永さんの瞳の引力をちょっとでも出せたらと意識して演じた」と語り、さらに富山でのクランクアップに吉永さんがサプライズで駆けつけたことを振り返り「吉永さんがひとりでいらしていて現場のテンションあがった。報われた気持ちになったし、おつかれさまとハグしてくれて、いただいたチョコレートが格別に美味しかった」と思い出を話すと、吉永さんも「ずっと前から行きたいと思っていてなかなか行けなかったけど、最後の日に新幹線に飛び乗って行って、みなさんの一生懸命な様子に胸が熱くなった」と本作にかける熱い思いを伺わせるエピソードを語りました。
工藤さんは、大先輩と同一人物で、しかも存命の人物を演じることにすごいプレッシャーを感じていたが、撮影前に一度、佐藤さんの撮影現場に行って「工藤くんは工藤くんの(思う)、若い頃を演じれば良いと思う」と言われたというエピソードを披露いたしました。佐藤さんの発言に優しさを感じ、その言葉を支えに演じきったと語り、それを受けた佐藤さんは「自分達が先に撮っていたから、監督は(先に撮影してる自分たちの演技を)見ている。工藤くんの演技が小さくならないよう、はみ出したら監督が言ってくれるはずだから、という意味で言った」とその真意を明かしました。
そして、娘役を演じた木村さんは「大先輩お二人と初共演の若葉さんとの演技だったが、実際にこの四人が家族なんだ、自分も多部家の一員なんだと思えた」というシーンがあったと語りました。吉永小百合さんというネームバリューのおかげで想定の三倍以上もの人数のエキストラが集まったシーンがあり、天国の田部井さんが素晴らしい方なのはもちろんだけど「私たちのお母さん=吉永小百合さんもやるでしょ、という気持ちになってその時に家族になれたなと思えた」と、そのシーンでは胸を張っていたと誇らしげに語っていました。
息子役を演じた若葉さんは、思春期には反発しながらも次第に母親をリスペクトするようになる役どころに対して、自身が大衆演劇出身で兄や父と比較されてきた経験から、「共鳴する部分が多く、痛いほどその気持ちが分かるシーンがあった」と経験と重ねて演じていたことをお話しされました。
天海さん演じる悦子の青年期を演じた茅島さんは、盟友役を演じたのんさんが「多方面で活躍している方なので緊張が止まらなかったが、役作りに対する姿勢、現場での居方が素敵で、気づいたら目で追っていたし、演技で相対すると、台本だけでは汲み取れない感情が沢山でてきて、お芝居の部分でリードしていただいた」と良い経験になったと語り、撮影が充実していたことをうかがわせました。
本作は、第73回サン・セバスティアン国際映画祭オフィシャルセレクションに選出され、阪本監督と若葉さん、そして田部井淳子さんのご子息の田部井進也さんが、映画祭に参加。
阪本監督は、「上映後360度囲むようにして、温かい拍手をもらった」観客の一人から「山登りを通じて描く人生の映画だと思った」という感想が嬉しかったと現地の様子を語り、さらに現地で鼎談したオーストリアの女性登山家ゲルリンデ・カルテンブルンナーさんから、「去年ヒマラヤに登頂した時に、一緒だったメンバーから誰か田部井淳子さんの映画をつくってくれないかしらという話が出た」という話が印象的だったと語り、世界の“田部井淳子”を感じさせるエピソードを披露いたしました。
飛行機が大嫌いながらも現地入りした若葉さんも、劇場が一丸となって、スクリーンに釘付けになっている感覚に感動し、「(田部井)進也さんの上映前スピーチで、通訳を通さなくても観客が拍手をしていて、言葉という壁は、丁寧に生きていれば乗り越えられるものなんだなと感じた」と現地での思い出を熱く語ってくれました。
サン・セバスティアン国際映画祭に続いて、9月26日からの韓国の蔚山蔚州世界山岳映画祭、10月16日からのハワイ国際映画祭、そして10月27日には東京国際映画祭のオープニング作品への出品も決まっていることに対して、阪本監督は、(普段は)「映画を制作している時には、国際映画祭に出したいとかは一切思わないと話し、まずは日本の観客にみて欲しいし、その延長線上に国際映画祭があると思っているものの、今回サン・セバスティアンに行って田部井淳子さんが世界中に知られている方ということを再確認し、登山家がいない国はないだろうし、田部井さんを認知している全ての国に広まってほしい」と海外でも多くの観客に観てもらえるよう期待の言葉を述べました。
その言葉を受けた吉永さんは、「実は、アメリカで田部井さんの映画をつくろうという話があった。ただその契約期限が切れたので日本でこの映画をつくることができて、ラッキーだった。天国から淳子さんが応援してくれたのかもと思っている」と最後にとっておきのエピソードを披露し、会場が大いに盛り上がったところで舞台挨拶は終了いたしました。
公開まで、あとわずかとなりました。10月31日(金)の公開をお楽しみに。